スクラップ新聞作りに学ぶ、中年の再生方法。

「この隼磨かっこいい!」

「あ、あの時の逆転した試合だ~!」
 
 
サッカーJ2松本山雅FCの運営会社が直営する「喫茶山雅」(松本市大手4)の2階イベントスペースで8月21日に行われた親子向けイベント。

松本山雅の試合結果や選手に関する新聞記事の切り抜きをまとめた壁新聞「かんばれ!山雅新聞」を作る催しが行われた。(協力:信濃毎日新聞)

 
主催であるクラブ運営会社は「山雅をより深く知る機会にしてほしい」との思いから企画。

 
この日参加したのは、夏休み中の山雅サポーター親子5組。

自分で日頃から切り抜いている記事や、その場で用意された新聞から気になる記事を切り抜き、周りの参加者と話し合いながらスクラップ新聞づくりをすすめた。

 

お母さんと一緒に参加した女の子は日頃からお兄さんと一緒に新聞記事を切り抜いて集めている。

 
別の小学4年生の男の子は、毎日、家で山雅の記事を切り抜きトイレに貼っているそうだ。

トイレは家族が毎日何度も使う場所。

そこに貼る事で山雅の情報を家族みんなで共有できる、とお母さんが語ってくれた。

大好きな山雅の情報を漏らさずチェックしているのだ。


 

自分は何に興味をもっているのか?自己発見

 

小学5年生の息子さんと参加したお父さん曰く、

「紙の新聞記事を、切り抜いたり貼ったりして作るスクラップ新聞は形に残る。手で作業することでより鮮明に記憶できる」と語ってくれた。

 
また娘さんと参加したお母さんは

「毎日読み流す記事でも、こうして改めて整理して見直してみると、シーズンの流れが一目でわかる。自分たちが何に興味を持っているかが改めて分かり、新しい発見があった」という。

 
たしかに、出来上がった新聞は、参加者それぞれの関心のある記事が集められているため、人によって何に興味があるのか、その傾向が見て取れる。

 
新選手紹介や選手のインタビュー、写真をそのまま切り取るのではなく、選手のみを切り抜く、印象的だった試合の記事…などなど興味はさまざま。

 
 
これはサッカーの情報に限った話ではない。

普段、無意識に読んでいるニュースだが、改めてそれらを集めると、自分がどんな事に興味を持っているのかが分かる。

スポーツ面に限らず、新聞全体でスクラップブックを作り、それを定期的に読み返したり、他人のスクラップブックを紹介してもらったりすることで

自分や仲間がどんなことに興味を持っていて、どんなふうに社会を読み解いているか、などが分かるのではないだろうか。

企業の教育担当の方などは、社員研修に取り入れても面白いと思う。

 
 

オワコンであるミドルも再利用可能?

 

そして、今回の新聞スクラップ企画を取材して気づいたもう一つのこと。

 

コンテンツは集めることで再生されるということ。

ネットでも同じように、あるテーマに絞った「まとめサイト(キュレーションサイト)」というものがある。

一度、埋もれた情報を拾い上げ、集めることで記事コンテンツとして再生される。
 
 
これを我々ミドルに置き換えてみてはどうだろうか?

中年世代…。

若い頃は勢いがあり、いろいろな体験をしてきたはずだ。

だが、社会に埋もれ、生活に追われ、今や当時の輝きを放てなくなっている。

 

ハッキリ言って取り留めのない体験談などは、若い人からすればウザイばかりの昔話だ。

飲み会などでは披露される武勇伝の類…。
 
 
だが、同じような世代の人間が集まり、同じような体験談をしっかりとまとめれば、それは立派なキュレーションコンテンツになりはしないだろうか?

 

「おれの若い頃は、今のお前らと違ってなぁ…」

などと自慢話をするくらいなら、

ブログやSNSに

『昔のビジネスシーンあるある』

『詰め込み世代 対 ゆとり世代!今と昔の10大ギャップ』

などとして書き綴ったほうがよっぽど面白くて有意義だと思うがどうだろう。

 

話が山雅の企画から外れた。

新聞や雑誌記事のスクラップ。

今一度自分というものを見つめ直す機会としてミドルにおすすめしたい。