もう一つの松本城「青翰堂」の秘密


松本駅から国宝松本城へと続く大名町通り。

お城に辿り着く前に、もう一つの松本城を見ることができる。

古本店「青翰堂」。

今では観光客がこの建物を見に、年間1万人は来るのだとか

 

たびたびメディアに取り上げられており、観光客からの知名度も高い。

松本城入口にある「お城の本屋」と言えば結構有名なのだが、詳しい事はあまり知られていないようだ。

ご店主・花岡さんに話を聞いた。
 

青翰堂と書かれた題字には桃と栗と柿の絵が描かれている。文化は桃や栗のように早くはできないという意味が込められているそうだ。

 

この建物を作ることになった先代の経緯が大変興味深い。

元々、松本から東京に出て、書店を営んでいた先代である花岡さんのお父さん。

昭和19年。
本屋を始めるときから世話になっていた方に、東京から引っ越すことを勧められた。

敗戦を見越していたその方が勧めた場所は何の因果か、花岡さんが生まれた土地、松本。

その方の予見通り、一年後の昭和20年終戦。

まるで占いのようだったと語る。
 

先述したように各種メディアにも取り上げられ、テレビにもざっと数えると200回は出ているという。

 

昭和20年代に松本城の解体修理の話が持ち上がった。

お城を見ることができなくなるであろう観光客の事を考え、それに合わせて店を改築。

本物の天守閣の20分の1スケールのこの建物を作ったそうだ。

松本城と同じ東を向いている。

 

工事には、建築が好きでそれまでに5回も自分の家を作ったという先代が、仲間の職人さんなどを集め、彼らも進んで協力してくれたお陰で驚くほど低予算で作ることができたという。

東京から引っ越すことを勧めてくれた恩人、その場所が図らずも松本であったこと、ちょうどお城の解体修理が始まったこと…。

花岡さん曰く、「全てにおいてタイミングが良かった」という。

そして、人生は「縁と巡り合わせ」が一番大切だと教えてくれた。

 

人生に大切なのはタイミング