松本市上土の古い劇場。上土劇場(ピカデリーホール)って?
昭和初期に造られた建物の面影を残す、松本市上土通り。
その昔、映画が立ち並び、松本の娯楽の聖地であった。
現在、映画館はすべてなくなり、建物だけが残されている。
かつて映画館だった建物の一つが「上土劇場(ピカデリーホール)※」。
※2018年1月から「ピカデリーホール」を改め「上土劇場」に変わる。
前身の映画館「松本ピカデリー」から名称の一部を受け継いだが、現在は演劇での利用が中心。
全国各地に「ピカデリー」と名が付く映画館が多いこともあり、実態と合っていないためだ。
前身の映画館「松本ピカデリー」から名称の一部を受け継いだが、現在は演劇での利用が中心。
全国各地に「ピカデリー」と名が付く映画館が多いこともあり、実態と合っていないためだ。
建物は1960年に建築。
映画館は98年、経営者が高齢を理由に閉館。
その後地元の企業が買い取り、改修。
約110平方メートルの広い舞台と220席の客席がある。
照明や音響設備なども備えており、主に地域の劇団公演や講師講演、コンサートなどが行われている。
躯体は当時のままの古い劇場。
その建物の歴史が街の一部分を形成している。
松本市にはアマチュア劇団がたくさんある。
地方都市でこれほど演劇が盛んな町は珍しい。
上土劇場(ピカデリホール)を中心として演劇のコミュニティがつくられており、毎年秋には演劇祭が行われる。
まつもと演劇祭
今年で22年目を迎える、全国で唯一の地域小劇場演劇祭。
5会場、10劇団による38公演と全国最大規模。
全国の地域劇団に参加を呼びかけ、出演団体の半数がビジター(外部)劇団。
劇場は上土劇場(ピカデリホール)のみならず、米蔵や神社の斎館など特設会場を利用した多彩な施設を活用して、歩いて廻れる距離に全ての会場を配置。
秋の松本を演劇で染め上げる一大イベントだ。
今年は、9月23日(土)から24日(日)の2日間行われた。
詳細は下記公式サイトを。
毎年、松本で行われる夏の音楽フェスティバル「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」のスクリーンコンサートの会場にもなっている。
セイジ・オザワ松本フェスティバルスクリーンコンサート
演奏会場であるキッセイ文化ホールからの同時中継。
劇場のスクリーンを使用し、本会場さながらの音響を楽しめる。
毎年8月開催。
【入場無料】
開場/午後6時
上映開始/午後6時30分
上映時間/約2時間30分(休憩あり)
(今年の曲目)
ベートーヴェン:レオノーレ序曲 第3番 Op.72b
マーラー:「少年の魔法の角笛」より
ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 Op.70, B.141
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾(ベートーヴェン)
ナタリー・シュトゥッツマン(マーラー、ドヴォルザーク)
ソプラノ:リディア・トイシャー(マーラー)
ベートーヴェン:レオノーレ序曲 第3番 Op.72b
マーラー:「少年の魔法の角笛」より
ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 Op.70, B.141
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾(ベートーヴェン)
ナタリー・シュトゥッツマン(マーラー、ドヴォルザーク)
ソプラノ:リディア・トイシャー(マーラー)
スクリーンコンサートは【松本城公園】(雨天注視)と【中町蔵シック館】でも行われるが、
雨が降っても安心で、かつ収容人数の広い上土劇場(ピカデリーホール)は毎年人気の会場だ。
席の予約などはできず、定員(240名)までの先着順となるため、開場前から並ぶ人が多い。
観覧希望の方は、早めに行かれることをおすすめする。
映画館としては廃れたが、この街には地域の人々が楽しめる文化がまだまだある。
古い劇場を、新しいコンテンツで再生し、新たなエンタテインメントの聖地として蘇ってほしい。