スーパーあずさ・特急あずさ廃止で新料金・新車両「あずさ」の乗り方は?

2019年4月16日

 

 

2019年、春から自由席廃止

 
JR東日本は2019年3月16日、春のダイヤ改正を行いました。
中央東線の特急「あずさ」「スーパーあずさ」が新型のE353系への車両切り替えを2019年春、完了し、特急列車名を「あずさ」に一本化。

これに合わせ、松本―新宿間は、県内7停車駅のうち松本、茅野を除く5駅で定期列車の1日当たりの停車本数を2~12本減らしました。

平均所要時間は上りで4分、下りで6分短縮となります。

同時に、普通車の全席で事前に座席指定ができるようになりました。

自由席は廃止!

特急料金も変更され、今までの自由席と比べて高くなったのですが、指定席では引き下げとなりました。
 
 
運賃と特急料金を合わせると…

松本~新宿の新料金は片道6500円。

これまでの自由席と比べて120円割高。
 
 
ただ指定席は400円安くなったので、指定席ベースで乗っていた方はお得になりましたね。

上諏訪~新宿の新料金は同5870円で、現行の自由席より40円高くなりますが、指定席は480円引き下げられました。
 
◎特急あずさ、スーパーあずさの料金
(運賃と特急料金の合計)
  以前の料金2019年春~
松本-新宿指定席6900円6500円
松本-新宿自由席6380円
上諏訪-新宿指定席6350円5870円
上諏訪-新宿自由席5830円
 
 

乗車日、区間のみ指定の「座席未指定券」導入

 
通常の指定席特急券のほかに、乗車日と区間のみ指定し、列車や座席を事前に指定しない「座席未指定券」(料金は 席特急券と同額)が新たに導入されるそうです。

乗車する列車が決まれば、乗車前に「みどりの窓口」などで追加料金なしで座席を指定できます。

座席指定せずに乗車した場合は、座席上方に設置されたランプで空席かどうかを確認して利用するということです。

(導入時期の詳細は未定)
 
 

多く人が快適に利用できるように

 
JRによると、これまでは限られた自由席を求めて早くからホームに並ぶ利用者がいるほか、中間駅からの利用者が自由席の空席を見つけにくいという課題があったそうです。

このたび導入された新たな方式で、より快適な利用が可能になった、ということですね。

導入に合わせ、これまでの「あずさ回数券」「中央線料金回数券」「信州特急料回数券」が廃止されました。

新たに長野塩尻間の特急しなので利用できる「信州しなの料金回数券」(4枚つづり、2040円)が発売されています。

あずさで使っていた旧型車両のE257系は、臨時列車を除いて中央東線での運行を終えます。
 
 

座席未指定券周知が課題

 
途中駅で席を譲る必要も?
 
JR東日本は利便性向上につながるとの説明ですが、これまでの自由席になじんだ利用者が慣れるには、やはり時間がかかると思います。

「指定席券」で乗車する分にはこれまでと変わらないのですが、

注意が必要なのは自由席券の代わりに導入される「座席未指定券」です。

これで乗車すると、新型E353系車両の座席上に設けられる3種類のランプ表示
 
「赤」…空席
「黄」…間もなく到着する駅から、指定席券が発売済み
「緑」…指定席券発売済みの区間内
 
上の表示のうち、赤か黄の座席に座れます。
 
 
乗車時間に縛られない利点はこれまでの自由席と同じですが、

指定席券を購入した人が乗車してきたら席を譲らなければなりません。

赤表示の席でも途中区間から座席指定が入る可能性もあります。

その一方で、座席未指定券でいったん乗車すると車内では座席指定はできません。

確実に席を確保するには、乗車前にみどりの窓口や指定席券売機などで座席指定しておく必要があります。
 
 

しばらくは戸惑うかも…

 
同様のシステムは常磐線特急で2015年から導入されているそうです。

JR東日本によるとこれまでに「大きな問題は起きていない」ということですが、

「ランプ の表示が何を指すのか分かりにくい」

「座席未指定券を買った場合はどうやって座席指定するのか」


など、しばらくは戸惑う利用者もいたそうです。
 
まあ、何事も慣れが必要でしょうね。
 
 

新型スーパーあずさとは?

 
JR東日本、中央東線特急「スーパーあずさ」の新型車両「E353系」

同社の在来線で中央線に限ると16年ぶりの新型特急車両です。
 
新型スーパーあずさ  
 

デザイン

 
車両の外装は南アルプスの雪を表現した白をベース。
側面上部にあずさのイメージカラー、薄紫色のラインがあしらわれています。

普通車の座席は「南アルプスと梓川のきよらかさ」をコンセプトに掲げ、水色が基調のデザイン。
1993年導入の現行車両「E351系」は座席が緑や紫でしたが、今回はより明るい雰囲気となりました。
 
スーパーあずさ  
 

性能

 
 
新型車両は乗り心地が大幅に改善されています。
 
中央線は特にカーブが多く、遠心力を緩和するために車体を傾ける新方式が導入されました。

傾きの角度が少なくなることで、揺れが大きくて気分が悪くなるのを抑えてくれます。

JR東日本の在来線特急で初となる全シートでの点字の座席番号表示や、ハンドル型電動車いすでも使える広いトイレなどバリアフリーにも対応。
 
 
スーパーあずさ新型車両「E353系」の進化ポイント12
1.走行性能を実現しつつも、車内が広く快適になる。
2.走行中の振動を低減する動揺防止装置を一部に搭載し、乗心地がアップ
3.静粛性を向上した床構造
4.空気清浄機を設置
5.空調を個別吹き出しとし、各座席で風向きと風量の調整が可能
6.観光・ビジネスユース等への対応
7.各座席にパソコンを置けるテーブルとコンセントを設置
8.車内案内表示器にフルカラーLEDを採用し、行先・停車駅案内等のほか運行情報やニュースなどを配信
9.改良型ハンドル形電動車いすが利用可能な大型トイレや多目的室、車いすを固定可能な座席を設置
10.各客室とトイレ内には乗務員と連絡可能な非常通話装置を設置
11.各客室の出入口に防犯カメラを設置
12.AEDを1編成に1台設置
 
 

ビジネスにも観光にも

 
中央線は観光客だけでなく仕事で利用する人も多いです。
 
客室設備では車内にLED間接照明を採用し、各座席にノートパソコンを置けるテーブルとコンセントを設置。

ビジネス客にも快適に過ごせる空間になりました。
 

 
空調は座席ごとに調整できるよう個別吹き出しにし、空気清浄機も置かれています。

荷物置き場は2両に1カ所程度設置し、各デッキに防犯カメラも備えています。

行き先や停車駅を示す車内の案内表示器にはフルカラーLEDを採用。

文字も大きくなり、より見やすくなりました。

一部車両には、旅行用トランクなどが置ける荷物置き場を用意されています。
 
動き出してから、忘れ物に気づくことも度々。
 
 
 

E353系「スーパーあずさ」時刻表

 
(2018年11月現在)
 
■下り(新宿→松本)
車名新宿発→松本着
スーパーあずさ1号新宿07:00→09:39松本
スーパーあずさ5号新宿08:00→10:38松本
スーパーあずさ11号新宿10:00→12:31松本
スーパーあずさ15号新宿12:00→14:35松本
スーパーあずさ19号新宿14:00→16:26松本
スーパーあずさ23号新宿16:00→18:34松本
スーパーあずさ29号新宿18:00→20:42松本
スーパーあずさ33号新宿20:00→22:38松本

■上り(松本→新宿)
車名松本発→新宿着
スーパーあずさ4号松本06:51→09:26新宿
スーパーあずさ6号松本06:51→10:38新宿
スーパーあずさ14号松本11:08→13:33新宿
スーパーあずさ18号松本13:02→15:33新宿
スーパーあずさ22号松本14:49→17:26新宿*
スーパーあずさ28号松本16:58→19:35新宿*
スーパーあずさ32号松本18:35→21:06新宿*
スーパーあずさ36号松本20:00→22:36新宿
 
 

「スーパーあずさ」名称廃止

 
E353系は、現在この時刻表での運転ですが、、JR東日本は約2年かけて増備していくそうです
 
徐々にE353系での運転列車が増えていき、2019年3月には全ての定期「あずさ」「かいじ」がE353系に一本化される予定です。
 
つまり「スーパーあずさ」の名称が廃止されるわけですね。

旧型車両のE257系の大半は改装し、東京と静岡県・伊半島を結ぶ特急「踊り子」で2019年にも運転を始めるそうです。
 
 

続々新設!中央線の特急列車

 
このほかに、主に中央線の新宿と富士急行の河口湖(山梨県)を結ぶ特急の定期列車を新設。

観光客に大人気の世界文化遺産の富士山や、山麓にある河口湖などの富士五湖への快適な移動を売りにしていくそうです。

新設の特急は3両編成で毎日運転し、1日に数往復させる計画だそうです。

中央線では主に新宿と甲府を結ぶ特急「かいじ」 と連結して2両編成で走行。
大月(山梨県)で切り離して富士急行に入り、行楽客の乗降が多い富士山、富士急ハイランドの両駅に停車する見通し。

河口湖には千葉県の成田空港を発着する特急「成田エク スプレス」が土曜と休日に一部乗り入れていますが、
「平日にも特急を設けて利便性を高める」狙いですね。
 
 
最近は外国人観光客が増えている松本市。

これまで以上にレジャーにもビジネスにも移動の快適さが求められています。

新型あずさの登場でますます東京からアクセスしやすくなり、多くの人が松本に来やすくなることを期待したいですね。