人にやさしく親切にしても幸せになれない理由。

世の中には

人に優しく、親切にしていれば自分も人から愛され幸せが訪れる、と考える人が大勢います。

しかしそれでは幸せになることはできません。


例えば、

仕事でお客さまやクライアントに笑顔で親切に接していても、自分はストレスが溜まってしまい

反動で暴飲暴食したり、衝動買いをしたりして、ちっとも自分は幸せを感じていない…。


家族のために毎日せっせと働いたり、一生懸命家事をしても、まったく家庭内には幸せが満ちていない…。


そんな状況の人って結構いますよね。


そうなのです。

人のために何かをしてあげても、人に優しく親切にしても自分の人生はまったく幸せにはならないのです。

むしろ人に優しくすればするほど自分にストレスが溜まり心のバランスを崩す結果に繋がります。
 
 

人に親切にしても自分は幸せにはなれない


その理由は何でしょうか?

一つは、

人に対して優しくすることが自分への見返りを求めた打算だからです。

自分はこんなに親切にしているのだから、人からも親切にしてもらえるはず。

誰にでも優しくしているのだから、誰からも優しくしてもらえるはず。

といった打算的な考えが無意識のうちに働いているからです。

そうなると、

自分が思ったような見返りが得られないと途端にストレスを感じます。

こんなに親切にしているのに、自分には優しくしてくれない。

「してくれない」という勝手な逆恨みに繋がります。



二つ目は…

「誰にでも優しくする」という間違いを犯しているからです。

「誰にでも」というと、分け隔てのない堂々とした人といったイメージを持ちそうですが、実際は逆です。

世の中には残念ながら、性根の悪い人、質の悪い人がいます。

そんな人たちに優しく親切にしても、ただの都合の良い人としか思われません。

逆に周りからは「媚びているヤツ」とか、「八方美人」というイメージを持たれ、自分の考えをもたない弱い人間に映ります。


「人にやさしく」の本質とは?


では、人に優しく親切にするというのは本当に間違った考え方なのでしょうか?

人に優しく親切にすること自体は間違ってはいません。


ただ、モノには順序があります。

その順序を間違えてしまっている人が多いのです。

優しくしてあげるべき人は、他人ではなく、まず「身近な人」からです。

あなたにとって一番身近な人は誰でしょうか?


自分です。

あらゆる人に共通する、「一番身近な人」とは自分自身です。

まずは自分にやさしく親切にすることです。

自分の体を労り、心を癒やしてあげ、自分に優しく接していれば

日々、上機嫌で心穏やかでいられます。


そうなると周りの家族や、友達に自然と優しくできるのです。

つまり、自分をかわいがるのが一番最初なのです。

例えるなら、結婚式のキャンドルサービスのようなもの。


まずは自分に火を付けます。

そこから他人へと分けていく。

その結果、キャンドルの火はどんどん周りに広がっていき、自分を明るく温かく照らしてくくれます。

それでも自分の火がなくなることはありません。


あのマザーテレサも、人のために何かをしようとして集まった人に

「家に帰って身近な人に優しくしなさい」と言ったそうです。

マザーテレサは本質を知っていたのですね。

優しくするならまずは自分の身近なところから。

「優しい人」という外面が良いだけではダメなのです。
 
 

すべてのものに感謝を感じる


自分に優しくして、

自分が幸せを感じていると、あらゆることに関して「感謝」を感じることができます。

「ありがとう」という言葉をよく使う人がいますが、

「ありがとう」というのは単なる「お礼」です。

何かをしてくれたことに対するお礼の言葉。


「ありがとう」ではなく「ありがたい」と感じるようにしましょう。

この世に生きてこられてありがたい。

今日も元気でいられてありがたい。

おいしいごはんが食べられてありがたい。

仕事があってありがたい。

「有難い」という心の底からわき上がるものが本質なのです。
 
 

感謝を増やすとオキシトシンが分泌される


感謝の気持ちを感じると、愛情が豊かになるといわれるオキシトシンが分泌されます。

オキシトシンは心と体を健康にしてくれます。

体が健康で、心が満たされていれば自然に周りにその愛情を分けたくなるものです。


やみくもに人に親切にしてもストレスを感じるだけ。

誰にでも親切にではなく、まずは自分にやさしく。

そしてそこから身近な人へと広げていく。


もっと極論をいえば、全ての人が自分に優しく、自分で自分だけを幸せにしてあげていれば、

世界中があっという間に幸せな人だらけになれると思うのですが…。

優しくしてあげるのはまずは自分。

これこそが正しい「優しさ」なのではないでしょうか。