信州そばがおいしい理由。「そば切り」発祥の地は長野県
蕎麦の歴史
日本人の大好きな「そば」。
元をたどれば大陸より伝わった食べ物です。
植物のソバの原産地は、中国雲南省からヒマラヤあたりにかけてという説が有力だそうです。
では日本でソバの栽培が始まったのはいつ頃からなのでしょうか。
日本史の中でもかなり古く、縄文時代からだともいわれています。
日照り続きで稲の収穫が見込めない中、普通より遅く実る晩禾とよばれる稲や小麦とともに、栽培が推奨されたのが「蕎麦」。
ソバは、日照りや冷涼な気候にも強く、栽培する土地もさほど選ばないため、凶作の時も収穫が見込める救荒作物として位置づけられたようです。
そばを麺にして食べだしたのは?
「そば」といえば、だれしも色のついた長細い麺状の食べものを思い浮かべますよね。
ですが少なくとも16世紀頃までは「そば」は麺としてではなく、そば粉を湯でてこねて餅状にした「そばがき」や「そばもち」が主な食べ方でした。
麺状の「そば」は、包丁で切って作ることから「そば切り」という呼び方も付いています。
では、その「そば切り」が誕生したのはいつ頃なのでしょうか。
江戸中期の文献では、「そば切り」の発祥地が次のように伝えられているそうです。
「蕎麦切といっぱ、もと信濃国本山宿より出て、普く国々にもてはやされける」
「本山宿」とは中山道の宿場の1つで、今の長野県塩尻市内にあります。
また、長野県の郷土史家である関保男氏が、長野県南西部にある大桑村の定勝寺というお寺で1574(天正2)年にしたためられた「定勝寺文書」の中で、「ソハキリ」(そば切り)の文字があるのを発表しました。
いずれにしても、長野県、中信地域にそのルーツがある可能性が非常に高いわけです。
そばといえば「信州そば」。
日本全国にそばの産地、名所はありますが、まずは「そば切り」発祥の地、信州のお蕎麦を外すわけにはいきませんね。
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